本日で、平成28年度の全教育課程を修了しました。
修了式では、代表生徒に修了書を渡しました。
式に参加する生徒の態度は大変立派で、1年間の成長を感じました。
保護者の皆様のお支え、ありがとうございました。
(1・2年 修了式式辞)
ただ今、2年生258名、1年生279名の代表の人に修了証を渡しました。これは、皆さんが1年間しっかり勉強をし、2年生、1年生の全課程を修了したことを証明するものです。
1年生は、「我が家−温かな空間で自分と仲間が共に成長する」という学年目標の元、岩倉中学校の中堅学年になるのにふさわしい成長を遂げたと思います。4月から迎える後輩の、よきお手本となると確信しています。
2年生は、「人やものとの出会いを大切にし、挑戦や努力を前向きにとらえ、夢を追い求めることができる岩中生」という学年目標の元、様々な活動に邁進してきました。既に後半からは、学校をリードする立場を受け継いでいます。岩倉中学校の顔として、これまでの伝統をさらに高め、ますます素晴らしい学校をつくってくれると期待しています。
さて、皆さんは、この1年間「自問ノート」を書いてきました。自問ノートを書くことで、様々な心の成長があったことと思います。
そこで、ある人の自問ノートを一部紹介します。
「1月25日、目標:集中する。理由:いつもあと何分だろうと思って時計を見てしまうので、時間を気にせず掃除に集中したい。/振り返り:いつもより集中できた。でも一回り掃除が終わると時計を気にしてしまった。もっと考えて掃除したい。
1月26日、目標:考えて掃除する。理由:昨日集中できたけど、何をするべきか考えた方がさらによいと思ったから。/振り返り:いつも同じところばかり掃除していたが、今日は、いつもは見つけられない汚れをとることができた。まだ時計が気になるので気をつけたい。」
どうですか。この人は毎日目標を立てて、それを振り返っています。集中すると時計が気にならなくなることに気付いているところも素晴らしいと思います。
別の人のノートを紹介します。
「2月20日、昨日は、みんなが雑巾を洗った後にたらす、手洗い場の水を、最後に拭くことができました。今日も、みつけ玉を磨けるといいです。
2月21日、昨日は、雑巾で他の人がやり残した場所をしっかり掃除できました。自分のやり残しを他の人がカバーしてくれることもあると思うので、やり残しがないように集中して取り組みたいと思います。」
この人は、やり残しがないように、汚いところを見つけて掃除できたと思います。自分が友達のやり残しを掃除したときに、自分も友達にカバーしてもらっていることがあるだろうと考えられるところが素晴らしいと思います。
掃除のことばかりでなく、日常生活のことを自問ノートに書いた人もいます。例えば、
「最近、言葉の遣い方が悪くなっていると感じます。何かいやなことがあるとLINEのコメントに書く人がいます。確かにコメントを書くのは自由だけど、人の悪いところとか嫌なところを書く場所ではないと思います。私も2度書きましたが、書いたときに、こんなことをしても相手が変わるわけではない、自分のイメージが下がるだけだ、と気付きました。メリハリをつけて、良いことと悪いことをしっかり区別していきたいと思います。」
あるいは、
「私は好きなことには毎日全力で取り組みますが、苦手なこと・嫌いなことは、明日があるからと思ってしまいます。明日はあるかもしれないけど、明日は今日のように苦手なことに取り組むチャンスはないかもしれません。今日と同じ日はもう絶対に来ないし、明日は今日とは違う苦手なことがあるかもしれません。そう思うと、1日1日の苦手なことに取り組むチャンスにチャレンジしていれば、昨日の自分よりも1つ苦手なことが減るんだと思いました。次があると思って今のチャンスにチャレンジしなかったら、もう次がないかもしれないと思うと、チャンスは自分を強くしてくれるすごく大切なものだと思います。毎日毎日、次が一つずつ無くなっていくし、今が次かもしれないので、今やらないと後悔してしまうと思います。これからは一つ一つのチャンスを見逃さないで、次はないということを心において生活していきたいです。」
どうですか。この2人のように掃除の反省以外のことも自問ノートに書き留めて心を成長させている人がいます。
自問ノートを書くことで自分を見つめたり伸ばしたりできる自問清掃では、岩倉中学校はもはや日本一の学校だと思っています。
体の成長と頭の成長は、身長が伸びたとか、できない問題が解けるようになったとかいうことで分かります。しかし、心の成長は、自問ノートのように自分の気持ちを書き留めたものを振り返ることでしか認識できません。
皆さんは毎日自問ノートに書いたことを振り返りながら日々成長してきました。学年が変わるこの時期に、自分が書き留めた自問ノートを一度読み返して、次の目標を立ててみてはどうでしょう。きっと、自分が進むべき方向性が見えてくると思います。新たな可能性を考えてみる春休みにして、次年度に備えましょう。
平成29年3月24日
岩倉中学校長 野木森 広