8/29<伝えたい生徒の言葉>平和派遣報告から
- 公開日
- 2015/08/29
- 更新日
- 2015/08/29
校長室
少し前になりますが、岩倉市小中学生平和祈念派遣事業に参加した生徒たちの報告会がありました。
小学生も中学生も、参加者ひとりひとりが感想を述べましたが、どれも聴く人の心に響くものであり、彼らの感性の豊かさに感動しました。
改めて、本校から参加した5名の生徒の感想を以下に紹介します。
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私は、この戦後70年という機会に原子爆弾の投下された広島に派遣させていただくことでたくさんのことを感じて帰ってきました。派遣で一番感じたのは、私は戦争や原爆の表面的なことしか知らなかったということです。私たちは川本さんという語り部の方に原爆が落とされてからの広島の様子をお聞きしました。その中で一番心に残っているのは「今、自分が生き残っているということは誰かを傷つけている」という言葉です。原爆投下時に疎開していた多くの子どもたちは原爆に家族を奪われ、誰かから物を奪ったりしないと生きていけなかったと言います。私が生きていくのに誰も傷つけなくてもいいということは平和だからこそだと分かり、戦争や原爆の深い悲しみを感じました。私たちが生きることで誰も傷つけず、逆に人の役に立てる今日の日本は、過去に苦しみながら生きてきた人たちがいるからこそだと改めて感じました。だから、この派遣を通じて私たちが幸せに暮らしていることに感謝し、人の役に立てる自分になれるようにしようと思いました。そして、このことをたくさんの人に伝え、平和を繋ぐ人が増えるようにしたいと思いました。
僕は今回岩倉市平和祈念派遣団の一員として初めて広島を訪れました。広島は70年前に原爆が落とされたとは思えないほど発展していました。その中で当時のことを物語っていたのは平和記念資料館と原爆ドームでした。平和記念資料館で見た写真や映像・実物は忘れられません。同年代の人たちがとても苦しい思いをしていたことを思うと大きなショックを受けました。原爆ドームでは鉄骨がむき出しになり、外壁がボロボロに崩れ落ちていて原爆の凄まじさや悲惨さを痛感しました。また、平和記念式典では多くの国が参加し、平和のことを考えているのは日本だけでなく、世界各国が考えているのだと改めて感じました。このように一人ひとりが平和について考えれば、本物の平和が実現できると思います。そして、僕たちが今何不自由なく生活している今日が、被爆した人たちが生きたかった日々だと思います。しかし、どれだけ望んでも過去は変えられません。変えられるとしたら、今、そして未来だということを今回の派遣事業で強く感じました。この感じたことや学んだことを周りの人たちに伝えていきたいです。
今回の平和派遣を通して、平和の大切さについて改めて考えることができました。2日間の中で一番心に残っているのは原爆ドームです。テレビや新聞などではよく目にすることがありましたが、実際に見る原爆ドームは想像以上に迫力がありました。むき出しになった鉄骨や崩れ落ちたレンガなどが、原爆投下時の悲惨な様子を物語っていました。この他にも平和記念資料館では、焼けた子供の服や黒焦げた弁当、やけどを負った人々の写真やパネルなどが展示されていて、そこからは人々の悲しみや怒りが伝わってきました。また、被爆体験者講話では、尊敬される人になること、友達を大切にし仲良くすることが平和への第一歩につながるということを学び、平和とは私たちの身近にあるということを感じました。また、平和とは形がないものだからこそ人それぞれに様々な思いが有り、その思いを大切にしなければならないということを最も強く学びました。
僕は今回の平和派遣によって平和の尊さ、核兵器の恐ろしさなどとても多くのことを学びました。その中でも被爆者体験講話で川本さんの話を聞いたことが一番印象に残っています。川本さんの話では「戦争時、食べ物がなく、たくさんの人が新聞紙や石などを食べて亡くなり、生き残った被爆者も、結婚させてもらえない、仕事をさせてもらえないなど苦しい差別を受け続けた」と聞きました。僕はこの話を聞いて、普通に生活できることがどれほど幸せで平和なんだということに気づかされました。また、川本さんは僕たちに「平和の輪、友達の輪を広げて欲しいと話されました。僕は、まわりの友達の輪を広げていくことで、大きな平和につながると思いました。今回学んだことを多くの人に伝え、大きな平和の輪を作っていきたいと思いました。
私は、岩倉市平和祈念派遣団として今回広島へ行かせていただきました。その中で私の心にとても響いたことが二つあります。一つ目は、川本省三さんのお話です。川本さんのお話は、今までの私ではとても想像ができないほど悲惨な話でした。小学校低学年の子どもがたくさん亡くなっていたということを知り、自分より短い命だった子が多くいたことを思うと、今生きていられることがどれほど素晴らしいことかということをとても感じました。そして二つ目は、平和記念式典に参加したことです。そこには今まで感じたことがない空気が流れていました。広島市長の平和宣言や安倍総理のあいさつ、とても心に響き、考えさせられました。70年という月日が流れ、戦争を体験された方々の平均年齢も80歳を超えました。そんな中で私たちができることは「伝える」ということです。友達や家族に話すことです。戦争を知らない私たちは、戦争のことをもっと知り、平和の意味を深く考えなければならないと思いました。