すばらしい生徒たちに恵まれました。
卒業式最後の合唱を聴いて、あらためてその思いを強くしました。
卒業生288名中、不運にも高熱をを出して休んだ生徒1名以外は全員出席。
まっすぐにこちらを見つめる生徒たちの表情。
式の初めから涙ぐむ生徒を見て、こちらも思わず目頭が熱くなりました。
厳粛の中にも感動のある卒業式をありがとう。
卒業生の前途を祝福します。心からおめでとう。
穏やかな風が新芽の香りを運び、春の息吹が感じられるこの良き日に、第六十八回卒業式を挙行いたしましたところ、片岡恵一(かたおか けいいち)市長様をはじめ、市議会議員の皆様、教育委員、関係高等学校等、教育関係者の皆様、そして、区長様はじめ地域の皆様には、ご多用のところ御臨席を賜り、式典に光彩を添えていただきまして誠にありがとうございます。高いところからではございますが厚く御礼申し上げます。
卒業生の保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。手塩にかけたお子様がここにひとつの大きな節目を迎えられたことに、お喜びもひとしおのことと存じます。これまでのご苦労に深甚なる敬意を表しますとともに心よりお祝い申し上げます。
さて、二百八十八名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。こうして、多くのお客様をお迎えして皆さんの卒業式ができることは、岩倉中学校にとって大きな喜びであります。
皆さんとの出会いは、二年前の四月でした。皆さんは、岩倉中学校の中堅学年として、常に「ABCDの原則」を意識し、みんなで協力して、規律正しい学校生活を築きました。最高学年になってからも、一人一人が学校づくりのリーダーとして活躍し、「当たり前」のレベルアップに努めてきました。心も身体も立派に逞しく成長した皆さんを、本校の卒業生として送り出すことを、職員一同、大変誇りに思っています。
これまでの皆さんの活動を振り返って、本日の卒業を前に、岩中新聞に「共感力」と題して、記事を載せておきました。
皆さんは、『愛、〜かけがえのない三年間の中学校生活を、この岩倉中学校でともにすごしてゆく、すべての君たちが輝ける主人公〜』という学年目標のもと、実に思いやりのある仲間集団を築いたと思います。
全員が出席した修学旅行、バスの中やペンションでのリクレーションや出し物は、互いを尊重する声援や温かい拍手にあふれていました。
例年、有志が参加する体育大会の応援団に、皆さんは全員が名を連ねました。夏休みの自主練習には多くの生徒が登校し、仲むつまじく応援を作り上げました。下学年への指導も積極的に行い、体育大会当日には、全校を巻き込むすばらしいパフォーマンスへと発展しました。
十一月のコスモス祭では、それぞれの出場者がチームワークを発揮し、質の高いステージ発表を披露しました。そして、手拍子、惜しみない拍手、温かい声援、すべてが三年生のリードによって和やかな雰囲気に包まれました。
十二月の合唱コンクールでは、僅かな時間を見つけて自主練習を重ね、仲間との絆を深めました。
授業でも、共感的に聞いてくれる仲間がいるからこそ、わからないことを「わからない」と、安心して聴くことができました。各種の講演会で来校される講師の皆さんから、聴く態度を褒めていただけるのも、相手の話に共感する姿勢があったからです。今年度から始まった、モンゴル高等学校からの生徒受け入れにおいて、温かいもてなしができたのも、中心となる三年生の皆さんの共感的な態度があったからです。
「常が大事」を意識して練習に励んだ部活動、毎日続けたボランティア活動、生徒会における「そろえるキャンペーン」など、本校のスローガンである「コスモス・あいさつ・ボランティア」の姿を具現化するとともに、さらに、自問清掃や生徒会における校則の話し合いなど、本校の歴史に輝かしい一ページを書き加えて、今、ここに胸を張って巣立ってくれることを嬉しく思います。
皆さんの業績は、在校生が本校の伝統として、しっかりと受け継ぎ、更に発展させてくれることと思います。また、これら活動の数々は、これからの皆さんの人生の大きな財産になると確信いたします。
いよいよ四月からは、高等学校や専門学校、就職などそれぞれの道に進みます。巣立ち行く皆さんに、一つお願いがあります。
それは、よきチームを作ってほしいということです。現在の日本は、かつてなく仲間づくりが重要な時代であると言われています。それは、社会が高度化する中で、一人の力でできることはますます限られてきているからです。共通の目標をもった仲間とともに課題を解決していくことが成功への道だからです。そして、世界的な成功者の、大きなきっかけとなった仲間との出会いは、十代から二十代前半という非常に若いタイミングだったと言われています。
本日巣立っていく卒業生が、今後どのような社会に出ようとも、この中学校三年間で培った共感力を武器に、やがて、すばらしい仲間と共に、「輝ける主人公」としてたくましく活躍してくれることを願っています。そして、我が郷土である岩倉市や日本を支える人材になってほしいと思います。
最後になりましたが、今日家へ帰ったら、ぜひ家族の人に感謝の気持ちを伝えてください。小さい頃から、ひたすら君たちの成長を願い、今日の日を心待ちにしてこられました。心をこめて「ありがとう」を言ってほしいと思います。
微笑みと活力に満ちた君たちの前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。
平成二十七年三月五日
岩倉市立岩倉中学校長
野 木 森 広