8/30 授業改善こそが大切
- 公開日
- 2014/08/30
- 更新日
- 2014/08/30
校長室
8月25日に、文部科学省が、4月に行われた全国学力・学習状況調査の結果を発表しました。ともするとランキングに目が行きがちですが、大切なことは結果を生かした授業改善です。8月29日の中日新聞社説にも、同様の趣旨で「学びの改善に役立てるのが目的だ」と書かれていました。
調査が始まって以来、活用の能力に課題があることは一貫して指摘されてきたことです。今回の調査においても、知識に関する国語A、数学Aに比べて、活用に関する国語B、数学Bの平均正答率は低い傾向にあります。
中でも正答率が最低(全国:23.3%)だった設問は、数学Bの4の(2)、角度を求める問題でした。
与えられた条件は、
△ABCは、AB=ACの二等辺三角形
BD=CEとなる点D,点Eをそれぞれとる。
そして、AD=AEを証明させた後、(2)で次の条件が付加されます。
∠BAC=110°
BD=AD
このとき、∠DAEの大きさを求めなさいという問題です。
さほど難しい問題とは思いません。
確かに△ABCが二等辺三角形だから∠ABC=35°。
BD=ADだから∠BADも35°。
(1)の証明で用いた、△ABD≡△ACEだから∠CAEも35°。
したがって、110°(∠BAC)から35°を2つ(∠BADと∠CAE)引いて40°
と、正解にたどり着くまでにいくつかの条件を選択し、いくつかの段階を踏まねばなりません。
だからでしょうか、この問題の無答率が25.8%ときわめて高い数値を示すように、このように何段階かの思考を積み重ねないと正解が出ない問題については、あきらめてしまう傾向が強いようです。
学力をどのようにとらえるかは種々の考え方があると思いますが、実生活で直面する様々な問題場面に対応するためには、このような段階を追った思考が大切になるのではないでしょうか。
全国学力・学習状況調査は、文部科学省が「身につけるべき力を具体的に示すメッセージとなるもの」としています。
上記のような問題を解く思考力を高めるための授業を工夫していくことが大切だと改めて考えました。