第67回卒業生268名が卒業しました。
卒業生の「仰げば尊し」にも、在校生の「蛍の光」にも、それぞれの思いがこもっていました。
式後の「河口」「故郷」の合唱では、涙する生徒もいましたが、それだけに情感が伝わってきました。
インフルエンザ等のために出席できない生徒がいたのは極めて残念でしたが、すべての卒業生の前途を祝福する卒業式でした。
保護者・来賓の皆様のご臨席、ありがとうございました。
<式 辞>
穏やかな風が新芽の香りを運び、春の息吹が感じられるこの良き日に、第六十七回卒業式を挙行いたしましたところ、久保田副市長様をはじめ、市議会議員の皆様、教育委員、関係高等学校等、教育関係者の皆様、そして、区長様はじめ地域の皆様には、ご多用のところ御臨席を賜り、式典に光彩を添えていただきまして誠にありがとうございます。高いところからではございますが厚く御礼申し上げます。
卒業生の保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。手塩にかけたお子様がここにひとつの大きな節目を迎えられたことに、お喜びもひとしおのことと存じます。これまでのご苦労に深甚なる敬意を表しますとともに心よりお祝い申し上げます。
さて、268名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。こうして、多くのお客様をお迎えして皆さんの卒業式ができることは、岩倉中学校にとって大きな喜びであります。
皆さんとの出会いは、一年前の四月でした。皆さんは岩倉中学校の最高学年として、『42・195キロ』という学年目標に向かって努力し、一人一人が学校づくりのリーダーとして、心も身体も立派に逞しく成長しました。本校の卒業生として送り出すことを職員一同、大変誇りに思っています。
皆さんのこの一年の姿を振り返って、本日の卒業を前に、岩中新聞に「『魅せる』を意識した行動」という記事を載せておきました。
皆さんは、入学当初の「心灯式」において、「感謝」「友情」「勉強」「運動」「思いやり」という五つの灯を心に灯しました。皆さんはこの五つの灯を意識して、岩中生として実に多くのあるべき姿を在校生に魅せてくれました。
「感謝」の灯では、「そろえる」を意識した規律正しい行動や、挨拶などの言葉、清掃活動で膝をついて床を磨く姿などに感謝の気持ちがあふれていました。
「友情」の灯では、合唱コンクールなどで築き上げたクラスのまとまりや、体育大会の応援合戦でリーダーシップを発揮したブロックのまとまりなど、様々な場面で友情をはぐくんできました。とりわけ、修学旅行では、富士山の世界遺産登録の日に、その地において心をこめて「コスモス」の合唱をしたことは、誰の心にも印象深く、一体感を味わえたのではないでしょうか。
「勉強」の灯では、「学び方交流会」を通して、授業で主体的に学ぶための具体的な方法や家庭学習の仕方などを発表し合うなど、自らの学びに反省と修正を加え、質の高い学びを実現してきました。
「運動」の灯では、部活動における水泳の全国大会出場や、男子駅伝の県大会六位入賞をはじめ、陸上や柔道、ソフトテニスなどが、県大会で活躍しました。また、たとえこうした結果に表れなくとも、どの部においても、三年生が主体的にリードする姿は、部活動のあるべき姿を示してくれたと思っています。
「思いやり」の灯では、日常的な靴の整頓や、自主的な朝清掃、あいさつボランティアの継続など、奉仕活動を日常化して、「常が大事」の姿勢を魅せてくれました。
このように、本校のスローガンである「コスモス・あいさつ・ボランティア」の姿を具現化するとともに、さらに、生徒会における「鳴子ソーラン」や「あいさつロード」の充実など、本校の歴史に輝かしい一ページを書き加えて、今、ここに胸を張って巣立ってくれることを嬉しく思います。
皆さんの業績は、在校生が本校の伝統として、しっかりと受け継ぎ、更に発展させてくれることと思います。また、これら活動の数々は、これからの皆さんの人生の大きな財産になると確信いたします。
いよいよ四月からは、高等学校や専門学校、就職などそれぞれの道に進みます。巣立ち行く皆さんに、一つお願いがあります。
それは、本校のスローガン「コスモス」が意味する「輝く自分」を実現するために、自らの夢や希望をもつことはもちろんですが、それと同時に、社会に貢献できる自己を確立しようとする志をもってほしいということです。
皆さんはこれから、一回り大きく成長した人間としてこれまでより大きな責任を背負いながら自分で考え、自分の足で歩いていくことになります。そのとき、いくら知識や技能を持っていても、それを世のため人にために役立てなければ意味がありません。人のために尽くした人の一生ほど美しいものはありません。
皆さんにはこれからもっともっと勉強し、たくさんの体験を積み、社会を見る眼を養い、判断力を磨き、何事にも負けない強さを身につけて、我が郷土である岩倉市や日本を支える人材になってほしいと思います。
最後になりましたが、今日家へ帰ったら、ぜひ家族の人に感謝の気持ちを伝えてください。小さい頃から、ひたすら君たちの成長を願い、今日の日を心待ちにしてこられました。心をこめて「ありがとう」を言ってほしいと思います。
微笑みと活力に満ちた君たちの前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。
平成26年3月6日
岩倉市立岩倉中学校長
野 木 森 広