本日、第72回卒業式を挙行しました。289名の卒業生が旅立っていきました。
おめでとうございます。
式 辞
校庭の新芽の香りが漂い、春の訪れが感じられるこの良き日に、岩倉市長久保田桂朗様をはじめ、市議会議員の皆様、教育関係者の皆様、そして、地域の皆様など、多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り、本校第七十二回卒業式が挙行できますことは大きな喜びであります。高いところからではございますが厚く御礼申し上げます。
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。手塩にかけたお子様が心身共に立派に成長し、ここに大きな節目を迎えられたことに、お喜びもひとしおのことと存じます。これまでのご苦労に深く敬意を表しますと共に心よりお祝い申し上げます。
さて、二百八十九名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんとの出会いは、一年前の四月、始業式でした。それから、皆さんと共に学校生活を過ごすことができたのはたったの一年間でしたが、皆さんから数え切れないほどの感動をもらい、たくさんの思い出をつくることができました。
皆さんと近くで三日間を過ごした修学旅行。ペンション入村式でのアカペラの合唱、その透き通った歌声に身震いを覚えました。伝統である合唱を披露することができたと感じました。翌朝の退村式、オーナーさんから、各ペンションでの皆さんの態度、行動に対して、次から次へと、この上ない称賛をいただきました。岩倉中学校の校長であることに本当に幸せを感じました。その日は快晴、絶景の富士山でした。そして、学年訓「我が家」のように、三年の学年は温かな空間であり、三日間を通じて、私自身、我が家の家族の一員になりたいとつくづく思いました。
部活動における最後の夏の大会では、接戦を制したり、野球の決まり文句、「最終回ツウアウトから」のごとく、大逆転で勝利をつかんだり、思わず、ガッツポーズをしている自分がいました。反対に、力が及ばず、力が出せず、惜敗し、悔し涙を流している皆さんに、かける言葉が見つからず、黙って会場を離れたことを今でも覚えています。
体育大会やコスモス祭では、皆さんのパフォーマンスに圧倒されました。あらゆる場面での、下級生を導く三年生の姿は下級生にとってあこがれであり、下級生は三年生の後ろ姿を追いかけ、伝統を受け継いでくれていると信じています。
また、三年全クラスで行った道徳の授業。シンガーソングライター、アンジャラ・アキさんの「手紙〜拝啓十五の君へ〜」の歌詞の意味、メッセージを皆さんと一緒に考えました。そして、一人一人が自分のこれからの人生について深く考えることができました。この授業の思い出は私自身の大きな宝物となりました。授業の最後に伝えた「十五の春、皆さんの笑顔を願っています」は、今も変わらない願いです
寸暇を惜しんで練習に取り組んだ合唱コンクール。さすが、三年生、どのクラスも素晴らしい発表でした。学年合唱は、思いが、決意が伝わり、感動で、胸が熱くなりました。校長あいさつで述べた、「皆さんのことを心から誇りに思います」という言葉はそのときの素直な思いであり、今もまさにその思いでいます。コンクールのすべてが終わり、最後に、皆さん全員と一緒に撮った写真、その時、私自身、我が家の一員になれたのではと実感しました。
岩倉中学校での三年間で培ってきた「ABCDの原則」、+アルファでレベルアップを図ってきました。本年度は、その+アルファを A、当たり前の反対有り難いという感謝にして、「ABCDの原則+感謝を常に意識してほしい」と伝えてきました。岩倉中学校で身につけたABCDの原則はこれからの人生、皆さんを決して裏切ることはありません。自分を信じ、突き進んでほしいと思います。さらには、当たり前のことにも感謝できる人であってほしいと願っています。当たり前のことに感謝されると、感謝された人は幸せな気持ちになります。そして、感謝した人も幸せになれるのです。感謝は幸せな人生に繋がっていくのです。特に今日は、中学校三年間の当たり前だった毎日に、そして、毎日、家庭に家族がいる当たり前に感謝をし、できれば、感謝の気持ちを伝えてほしいと思います。
結びにあたり、送る会で紹介した合唱曲「この日々を、この時代を」の三番を今一度、最後のメッセージとして贈ります。
友達を思うとき ぼくらは星になる どんなに遠く 離れていても
きらめきを 信じ合って そして明日へ そして明日へ
今、始まる この日々を 生きていこう 生きていこう
思い出を 重ねながら この日々を この時代を
コスモスの生徒たちであった卒業生の皆さん、これからも美しく咲き誇り、光り輝き続けることを祈念し、式辞といたします。
平成三十一年三月五日
岩倉市立岩倉中学校長 高御堂 勝久