数々のお手本を見せてくれた卒業生260名が旅立ちました。
生徒たちひとりひとりが感動の表情に満ちていました。
卒業生の前途を祝福します。心からおめでとう。
保護者の皆様の3年間のご理解・ご協力に心から感謝致します。
ありがとうございました。
式 辞
穏やかな風が新芽の香りを運び、春の息吹が感じられるこの良き日に、第七十一回卒業式を挙行いたしましたところ、小川副市長様をはじめ、市議会議員の皆様、教育委員、関係高等学校等、教育関係者の皆様、そして、区長様はじめ地域の皆様には、ご多用のところ御臨席を賜り、式典に光彩を添えていただきまして誠にありがとうございます。高いところからではございますが厚く御礼申し上げます。
卒業生の保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。手塩にかけたお子様がここにひとつの大きな節目を迎えられたことに、お喜びもひとしおのことと存じます。これまでのご苦労に深甚なる敬意を表しますとともに心よりお祝い申し上げます。
さて、二百六十名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。こうして、多くのお客様をお迎えして皆さんの卒業式ができることは、岩倉中学校にとって大きな喜びであります。
皆さんとの出会いは、三年前の四月でした。皆さんは、岩倉中学校の新入生として、常に「ABCDの原則」を意識し、みんなで協力して、規律正しい学校生活を築いてきました。最高学年になってからは、一人一人が学校づくりのリーダーとして活躍し、岩中の「当たり前」を、その後ろ姿で後輩たちに示してきました。心も身体も立派に逞しく成長した皆さんを、本校の卒業生として送り出すことを、職員一同、大変誇りに思っています。
皆さんの三年間の姿を振り返って、本日の卒業を前に、岩中新聞に「証」と題して記事を載せておきました。
皆さんは、『人やものとの出会いを大切にし、挑戦や努力を前向きにとらえ、夢を追い求めることができる岩中生』という学年目標のもと、実にすばらしい成長を遂げてきました。その成長を支えたのは、何と言っても「自問ノート」です。
「自問ノート」は、もともと清掃の振り返りを記して翌日の清掃に生かす目的で始めたものですが、それを、皆さんは実に様々に活用してきました。
ある人は、「自問ノート」を毎朝開いて目標を立てました。またある人は、クラスで問題が起こると、それを自分のこととして受け止め、思いを綴りました。またある人は、リーダーとして自分のあるべき姿に悩んだとき、「自問ノート」に記した日々の振り返りを細かく確認することで解決の糸口を見つけたと聞きます。
このように皆さんは、日々「自問ノート」に、今の判断は正しかったか、行動は正しいかを綴ってきました。その結果、どんな場面でも他学年の手本となり、よい影響を与える行動をとることで、最高学年はただ年齢が一番上というだけではないという証を、みんなに示してくれました。
修学旅行などで校外に出るときは、岩中生の質を試されるときと考え、岩中生代表として、そのすばらしさを発信してきました。
三年生での行事はすべてが最後だから、記憶に残るようにと考え、時間を無駄にせず練習に励んできました。
信じられる人になるためには、まずは自分が他を信じなければならないと考え、どんな問題も自分のこととして受け止め、できる事を考えてきました。
流されていくだけの生活ではもったいないと考え、常に立ち止まって一つ一つの行動を振り返ってきました。
「自問ノート、教科係会、ABCDの原則、ボランティア、岩中ソーラン、合唱…」、残したい岩中の伝統として皆さんが掲げた項目です。一・二年生が皆さんの姿にあこがれをもって生活していることこそが、皆さんがこれらのすべてに全力を傾けてきた証です。
過去の先輩たちが積み上げてきた伝統の上に、さらに「+α」の歴史を書き加えて、今、ここに胸を張って巣立ってくれることを嬉しく思います。
皆さんの業績は、在校生が本校の伝統として、しっかりと受け継ぎ、更に発展させてくれることでしょう。また、これら活動の数々は、これからの皆さんの人生の大きな財産になると確信いたします。
いよいよ四月からは、高等学校や専門学校、就職などそれぞれの道に進みます。巣立ち行く皆さんに、一つお願いがあります。
それは、自分の中に「もう一人の自分」を持ってほしいということです。
多少いけないことをしても誰も何も言わない社会になりました。例えば、ネットに人の悪口を書いてもばれなければいい。ばれたら謝ればいい。そんなとき、「本当にそれでいいのか」と言ってくれるのは「心の中のもう一人の自分」です。
社会に出れば、自分で正しい判断をしなければなりません。そのとき必要なのが「もう一人の自分」です。実は「自問ノート」は、「もう一人の自分」との対話です。既に皆さんは「自問ノート」で正しく判断することを学んできているのです。ぜひ、自分の中に「もう一人の自分」を持ち続けましょう。
本日巣立っていく卒業生が、今後どのような社会に出ようとも、この中学校三年間で培った「自問する習慣」を武器に、夢を持ってたくましく活躍してくれることを願っています。そして、我が郷土である岩倉市や日本を支える人材になってほしいと思います。
最後になりましたが、今日家へ帰ったら、ぜひ家族の人に感謝の気持ちを伝えてください。小さい頃から、ひたすら君たちの成長を願い、今日の日を心待ちにしてこられました。心をこめて「ありがとう」を言ってほしいと思います。
以上で、校長先生が君たちに伝える最後のメッセージを終わります。
微笑みと活力に満ちた君たちの前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。
平成三十年三月六日
岩倉市立岩倉中学校長
野 木 森 広