数々のお手本を見せてくれた卒業生261名が旅立ちました。
生徒たちひとりひとが感動の表情に満ちていました。
卒業生の前途を祝福します。心からおめでとう。
保護者の皆様の3年間のご理解・ご協力に心から感謝致します。
ありがとうございました。
(写真は赤木教諭撮影)
(前文省略)
261名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。こうして、多くのお客様をお迎えして皆さんの卒業式ができることは、岩倉中学校にとって大きな喜びであります。
皆さんとの出会いは、三年前の四月でした。皆さんは、岩倉中学校の新入生として、常に「ABCDの原則」を意識し、みんなで協力して、規律正しい学校生活を築いてきました。最高学年になってからも、一人一人が学校づくりのリーダーとして活躍し、「当たり前」のレベルアップに努めてきました。心も身体も立派に逞しく成長した皆さんを、本校の卒業生として送り出すことを、職員一同、大変誇りに思っています。
皆さんのこの一年の姿を振り返って、本日の卒業を前に、岩中新聞に「響き合う心」と題して記事を載せておきました。
皆さんは、入学当初の「心灯式」において、「感謝の灯」「思いやりの灯」「勉強の灯」「運動の灯」「掃除の灯」という五つの灯を心に灯しました。皆さんはこの五つの灯を意識して、岩中生として実に多くのあるべき姿を在校生に示してくれました。
「感謝」の灯では、靴の整頓やあいさつ、ボランティアなど、日常的な奉仕活動を通して、「常が大事」の姿を魅せてくれました。
「思いやり」の灯では、体育大会の応援合戦でリーダーシップを発揮したブロックのまとまりや合唱コンクールで築き上げたクラスのまとまりなど、様々な場面で友情をはぐくんできました。さらに特筆すべきは、学校全体を包み込む「響き合う心」です。一一月に行われたコスモス祭の有志ステージ発表で、全校生徒が一体感に包まれたのは、魅せる側のパフォーマンスもさることながら、それを引き出す観る側、特に三年生の見事な呼応が共鳴した結果です。惜しみない拍手や温かい声援、真剣に観る眼差しなどがこの一体感を醸し出しました。
「勉強」の灯では、「学び方交流会」を通して、授業で主体的に学ぶための具体的な方法や家庭学習の仕方などを発表し合うなど、自らの学びに反省と修正を加え、質の高い学びを実現してきました。
「運動」の灯では、ソフトボール部の県大会3位をはじめ、柔道、剣道、陸上、水泳などが県大会で活躍しました。また、こうした結果に表れなくとも、どの部においても、三年生が主体的にリードする姿は、部活動のあるべき姿を示してくれたと思っています。
「掃除」の灯では、清掃活動で膝をついて床を磨くなど範を示し、本校に根付きつつある「自問清掃」の礎を築いてきました。特に、今年から書き始めた自問ノートでは、常に自分の目標をもち、掃除を通して黙々と自分と向かい合ってきました。
このように皆さんが成し遂げた「当たり前のレベルアップ」は枚挙に暇がありません。
皆さんの業績は、在校生が本校の伝統として、しっかりと受け継ぎ、更に発展させてくれることと思います。また、これら活動の数々は、これからの皆さんの人生の大きな財産になると確信いたします。
いよいよ四月からは、高等学校や専門学校、就職などそれぞれの道に進みます。巣立ち行く皆さんに、一つお願いがあります。
それは、岩倉中学校で身につけた「響きあう心」を、卒業した後にも発揮してほしいということです。
これからの社会は知識基盤社会であり、情報化やグローバル化といった変化が人間の予測を超えて加速度的に進展するようになってきています。とりわけ、第四次産業革命とも言われる、進化した人工知能が様々な判断を行ったり、身近なものの動きがインターネット経由で最適化されたりする時代の到来が社会や生活を大きく変えていくとの予測がなされています。加速度的に進む、予測困難な時代だからこそ、人間ならではの感性を働かせ、社会や人生を、より豊かなものにしていくことが大切です。そのとき、役に立つのが周囲と連携する「響きあう心」です。
いかに進化した人工知能でもそれが行っているのは与えられた目的の中での処理です。人間は、感性を豊かに働かせながら、人と人とが心を響かせながら、どのような未来をつくっていくのか、どのように社会や人生をより良いものにしていくのかという目的を自ら生み出していくことが出来ます。
本日巣立っていく卒業生がこの中学校三年間で培った「響きあう心」を武器に、よりよい社会と幸福な人生の創り手となることを期待しています。そしてやがて、我が郷土である岩倉市や日本を支え、世界に羽ばたく立派な人材になってくれることを願っています。
最後になりましたが、今日家へ帰ったら、ぜひ家族の人に感謝の気持ちを伝えてください。小さい頃から、ひたすら君たちの成長を願い、今日の日を心待ちにしてこられました。心をこめて「ありがとう」を言ってほしいと思います。
微笑みと活力に満ちた君たちの前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。
平成29年3月3日
岩倉市立岩倉中学校長 野 木 森 広