9/1 チーム力 〜2学期始業式式辞〜
- 公開日
- 2016/09/01
- 更新日
- 2016/09/01
校長室
本日より2学期が始まりました。
今朝の始業式式辞では「チーム力」について話をしました。
本校のキーワードの一つに「誰かのために」があります。
自分以外の「誰かのために」という意識がもてたときに、想像以上の力が発揮できることをオリンピックを見て感じました。
学校での人間関係は、ただ人が集まっただけのグループではなく、高い目標に向かって相互作用を高めあうチームでなければなりません。
岩中生のチーム力を高めることを2学期の目標とします。
<2学期始業式 式辞 抜粋>
今年の夏休みは、リオでオリンピックがありました。日本は過去最多である41個のメダルを獲得しました。数々の名場面があり、テレビに釘付けになった人も多かったのではないでしょうか。
その中で、特に注目されたのは、日本の「チーム力」です。
陸上男子400mリレーでは、個人個人はどの選手も9秒台に乗れなかったにも関わらず、巧みなバトンワークで37秒60という驚異的なタイムを出し、銀メダルを勝ち取りました。バトンワークだけで1秒ほどタイムが縮まるのだそうです。まさに日本らしい「チーム力」の勝利と言えます。
日本選手団は、「チーム力」を育てるために「チームビルディング」と呼ばれる研修を行ってきました。例えば、メダリストや先輩の体験談を聞いたり、選手の競技している動画をみんなで見てアドバイスを言い合ったりしたそうです。
その結果、個人競技においても「ライバルだけど、仲間。みんなで強くなる」という考え方や、「先輩のために、仲間のために、日本のために…」と、自分以外の誰かのためにというチーム力が高まっただそうです。
競泳では、男子800mリレーで銅メダルを獲得しました。リレーに出場した萩野選手、江原選手、小堀選手は、最年長のアンカーでリオデジャネイロオリンピックではリレーだけの出場となった松田丈志選手のために「丈志さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」と誓っていました。
卓球女子団体では銅メダルを獲得しました。個人戦では悔しい思いをした石川選手は、団体戦ではエースとして全勝しました。個人戦では結果が出なくても団体戦で驚異的な力を発揮できるのは、選手同士の気持ちが一丸となっている「チーム力」の証だと言えます。
体操男子団体総合では長年の悲願だった金メダルを獲得ました。エースである内村選手は個人総合でも2連覇の快挙を達成しましたが、「仲間と獲得した金メダルは格別だった。うれしいを超えている」と、チームで達成した団体総合優勝の喜びを語っています。
バドミントン女子ダブルスでは、高橋・松友ペアが、日本バドミントン史上初の金メダルを獲得しました。試合後の会見で、松友選手は「先輩とでなければ、この場所に来られなかった」と先輩の存在の大きさを語っています。
テニス男子シングルスの錦織選手は、日本にとって96年ぶりのメダルを獲得するという偉業を達成しました。この大会で錦織選手は「日本のために…という気持ちでやった。今までにない感情だった」と語っています。自分だけでなく、サポートしてくれた人たちや日本のことを考えたとき、自分でも想像していなかった力が沸いてきたのではないでしょうか。
レスリング女子で4連覇が期待された吉田沙保里選手は、決勝で敗れて銀メダルに終わりました。それでも他の級で若い選手が活躍し、全6階級のうち4階級で金メダルを獲得するという快挙を成し遂げました。これは、吉田選手や伊調選手などベテラン選手が率先して練習し、オリンピックでの体験を惜しみなく伝えたことによるチームとしての成果と言えます。
このように、リオ・オリンピックは、自分のためだけではなく、仲間のため、チームのためだからこそ発揮される力が想像以上のものであることを改めて証明してくれました。仲間と戦えることの心強さは、個人の力を何倍にも何十倍にも引き出してくれるのだと思います。
さて、2学期は、体育大会やコスモス祭、合唱コンクールなど、チームで協力する大きな行事が続く学期です。また、勉強にも運動にも取り組みやすい学期です。
この2学期、皆さんはどのようなチーム力を発揮できるでしょうか。
これから始まる読書の秋、スポーツの秋を、仲間とともに有意義に過ごし、いろいろなことに挑戦して、自分たちを今まで以上に高めていける2学期にしましょう。
平成28年9月1日 校長 野木森 広