表彰伝達式では、サマーライフ表紙絵、健康な歯、美術部、剣道部、男女ソフトテニス部の表彰がありました。また、1学期終業式が始まると生徒たちの聞く姿勢は、すばらしく、話す人の方を向いて真剣な顔をしていました。校長先生の話では、本年度から教科係会が始まり、授業が充実してきていることや、強い絆と深い絆の違いについて、夏休みの過ごし方などの話がありました。生徒指導関係の話では、花火、大型ショッピングモール、深夜徘徊、水の事故、家族との時間を大切にして、勉強や部活動にがんばりましょうなどの話もありました。
(1学期終業式式辞)
本日、7月17日をもって、岩倉中学校の平成27年度・1学期を終業します。全校生徒800名の皆さん、1学期を振り返って、どのような思いを抱いているでしょうか。
3年生は岩倉中学校の顔として、2年生は、岩倉中学校の中堅学年として、1年生は、中学校という新しい生活の中で、それぞれが、より充実した学校生活を築き上げることができたのではないかと思います。
4月の始業式で、校長先生は、「ABCDの原則」を意識してほしいという話をしましたが、今や岩倉中学校は、誰にでもできる当たり前のことを、誰にもまねできないくらい自然にできる学校に成長しています。
どの生徒も、授業では熱心に学び、部活では自主的に練習に励み、廊下では礼儀正しく挨拶を交わし、自問清掃には黙々と取り組むことができます。保護者アンケートでは、「最近の岩中生はとても素晴らしい」「率先して動く岩中生の姿に感動しました」という感想をいただけるようになりました。
今年から始まった教科係会では、授業への取り組み方を自分たちで話し合い、改善しようとしてきました。その結果、話を聴くときの集中力が高まってきていると感じます。これからも、自分の生活を自分で見つめ、自ら当たり前のレベルアップを図る岩中生であってほしいと思います。
さて、長い休みに入ります。クラスの仲間と離れ、家族と過ごす時間が増えます。そこで、仲間や家族との「絆」ということについて、少し考えてみたいと思います。
絆というのは、人と人との結びつきや支え合いのことですが、あるメンタルトレーナーによると、絆には、2種類の絆があるそうです。1つは「強い絆」で、もう1つは「深い絆」です。
「強い絆」はお互いがロープを短く持ち、どちらかが引っ張ってピンとはった状態です。一人がロープを引っ張り回すと、相手は振り回されてしまいます。一人ぼっちになりたくない、拒絶されたくないという気持ちが強いとこの状態になります。
「深い絆」は、お互いがロープに余裕をもたせて持っていて、相手とつながりながらも相手のことを信頼し、相手の行きたいところに行くことを相手に任せている状態です。何かあったときや必要なときには手を差し伸べる関係のことを言います。
みなさんの友達関係や親子関係は、2つのうちどちらでしょうか?
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんと強い絆で結ばれています。赤ちゃんは生きるために、お腹がすけば泣いてお母さんを呼びます。お母さんも赤ちゃんを危険な目に合わせないために、行動を制限します。お互いが制限し合う関係にあります。しかし、成長するにつれて、少しずつ自分の意思で行動することを許し合えるようになります。そして、必要な時だけしっかり相談できる「深い絆」へと移行していきます。このような関係を築くことが、より成熟した人間関係になることだと考えます。
さて、友達関係はどうでしょう。ケータイやスマホが普及した今、皆さんは学校から帰ったあとも友達とつながることができます。しかし、ともすると、メールやSNSの返事を強要し、お互いがお互いを苦しめている「強い絆」の関係にありませんか? LINEでは、「読んでいるのに返事をくれない」と思われることが不安で、仲間はずれにされるのを恐れて、何時間も返事を繰り返すことはありませんか? 深夜にメールをやりとりする仲間は本当に友達でしょうか。お互いのことを考え、時間だからもうやめようと言い合える「深い絆」の仲間こそが真の友達ではないでしょうか。
自分と友達との関係を、不安や恐怖でコントロールされて苦しむのではなく、自分の意思で行きたいところやしたいことをしても、互いに見捨てることはないし拒絶もしない、そんな「深い絆」を目指していきたいですね。
自分は誰とどのような関係を築いているのか。それは「強い絆」なのか、それとも「深い絆」なのか。その関係は自分や相手にとってプラスになっているのか、マイナスになっているのか。その絆で不都合を感じていることはないのかどうか。友達と離れる夏休みだからこそ、考えてみたいことですね。
9月に、心も体も一回り成長した皆さんに会えることを楽しみにしています。有意義な夏休みにしましょう。
以上で、式辞といたします。
平成27年7月17日
校長 野木森 広