表彰伝達に引き続き校長先生から、いつも精一杯のおもてなしでお客様をお迎えする 「幸運のタクシー」の運転手の方のお話がありました。2月も最終の週となりました。 がんばっていきましょう。
(2月23日校長講話)
皆さんは「幸運のタクシー」という話を聞いたことがありますか?
そのタクシーに乗るとパワーをもらえるとか、幸せな気持ちになれるという話が、インターネットで話題になっています。
運転手は、80歳の川口政則さんです。無線や携帯を持たず、偶然乗れたらラッキーなので「幸運のタクシー」と呼ばれています。
では、なぜ幸せな気持ちになれるのでしょうか。それは川口さんの徹底的なおもてなしがあるからです。
川口さんは、まず、タクシーに乗ると、行き先を聞いたあと、「何の音楽が好きですか?」と質問し、好きな音楽をすぐにかけてくれます。客の年齢に合わせた音楽テープを100本近く用意していて、それを相手に合わせてかけてくれるのです。レディーガガやAKBなどの最新曲まで知っています。
自己紹介用の大きなファイルには、これまでに乗車した有名人の感謝メッセージや、川口さん自身の新聞の切り抜きなどがあって、飽きさせません。
さらには、「私、歴代将軍や天皇の名前を覚えてるんです」と言ってクイズコーナーが始まり、「何代目の、将軍は?」と聞くと即答で返ってくるというエンターテイメントに溢れているそうです。
他にも世界の国名を全て覚えていて、大陸ごとにすぐに言えたり、世界の『ありがとう』を全部その国の言葉で言えたりと、どんなお客様が乗っても、楽しんで頂けるように工夫をしているのです。
「何で音楽にそんなに詳しくて、世界の国名や『ありがとう』を知っているんですか?」と聞くと、「お客様を楽しませるのが幸せなんです。タクシー運転手になって50数年、ずっとそんなことを考えながらやってきたから、覚えることは空気を吸うのと同じくらい当たり前にできますよ。」と答えられたそうです。
どうですか? お客さんがタクシーに乗る時間は、ほんの数十分です。その限られた時間で、こんなに心を通わせようと工夫している川口さんの生き方は、すばらしいですね。
さて、3年生がまもなく卒業です。3年生といっしょに行う朝礼も、今日で最後です。この2週間は、別れと旅立ちの時となります。限られた時間を、川口さんのように工夫して、全校生徒の心が通い合う有意義な時間にしたいですね。