表彰伝達に引き続き、終業式が行われました。校長先生から行事を通して大きく成長した2学期のまとめのお話がありました。担任の先生から渡される通知表を通して今学期を振り返るとともに、今後さらに自分のいい所を伸ばしてほしいと思います。全校で校歌を斉唱した後、生徒指導の高岡先生からオセロを例にして、いろいろな面で岩中の生徒指導目標の「そろえる」が達成できたことと冬休みの生活についての話がありました。
(2学期終業式式辞)
最も長い学期である2学期を、今日で終業します。全校832名の皆さん,2学期76日間を振り返って,どのような思いを抱いているでしょうか。
校長先生は、どの学年も、体育大会や合唱コンクールなど、仲間とともに乗り越える大きな行事を経験し、肉体的にも精神的にも大きな成長を遂げることができたのではないかと思っています。
1年生は、先輩から受け継いだコスモスの種を大切に育て、立派に咲かせてくれました。中学校生活にしっかり慣れ、小学生の時とは比べものにならないほど逞しくなってきています。4月から迎える後輩の、よきお手本となる予感がしています。
2年生は、夏以降、部活動の中心となり、高い目標に向かってがんばってきました。生徒会活動でも、後期は3年生に代わって学校をリードする存在になり、頼もしさを感じています。中学校生活の半分を終え、少しずつ、進路のことも考えるようになってきたのではないでしょうか。自分の目標に向かって、そして3年生を引き継ぐリーダーとして、ますます成長してくれることを願っています。
3年生は、いよいよ義務教育の最終段階を迎えました。体育祭の応援合戦、コスモス祭、合唱コンクール、自主的なボランティア、どれ1つをとっても中学校生活最後を意識して、誰もが輝ける主人公としてコスモスの姿を魅せてくれました。1・2年生があこがれる姿だったのではないでしょうか。卒業までにさらに多くの活躍をして有終の美を飾ってくれると期待しています。
さて、今日は2学期の通知表を受け取る日です。通知表には、反省点や努力点が現れていることでしょう。自分を振り返って新たな目標を立てる材料にしてほしいと思います。
しかし一方で、通知表がすべてではありません。皆さんは12月1日に「誰もがみんないいものを持っている」という柴田さんの講演を聞きました。柴田さんがおっしゃっていたように優しさが一番ですが、優しさのように通知表には、はっきりと表わされないものもあります。
実際に、世界的な活躍をした偉人の中にも、小中学生の頃の通知表では、あまり評価が高くない人もいます。例えば、くまのプーさんの作者であるミルンさんの通知表には「ひどい出来だ。彼は全くやる気を見せない」と書かれていました。また、イギリスの政治家チャーチルさんの通知表には「他の子とトラブルばかりを起こす」と書かれていました。
しかし、彼らはみんな、自分の持っている「いいもの」を見つけて、偉大な人物になりました。通知表にいいことが書かれていないからといって、落胆することはありません。いいことが書かれている、いないに関わらず、自分で「いいもの」を見つけて生かした人が成功するのだと思います。ただし、その「いいもの」を生かすには、多大な努力と準備が必要です。
フランスの細菌学者パスツールの言葉に「偶然は準備のできていない者を助けない」という言葉があります。パスツールは多くの偶然から予防接種を発明した人ですが、その偶然の発見に至るまでには、気の遠くなるような多くの実験を繰り返しました。つまり、何事も、コツコツと重ねた努力や準備の先に目的到達への道が拓けるのです。
さて、明日から始まる冬休みは、自分の持っている「いいもの」を見つけて生かすために、努力と準備を積み重ねる好機です。学習する習慣を大切にし、けじめのある生活をして、有意義な時間を過ごしましょう。
以上で、式辞といたします。