本日は雨天のため放送にて朝礼を行いました。午後の「人権を考える会に向けて」人権擁護委員の井上様から人権についてのお話を聞きました。生徒会役員に1日人権擁護委員の委嘱がされました。最後に校長先生から本日の講演会についてのお話がありました。
(12月1日 校長講話)
毎年、12月4日から10日までは人権週間です。ただいまは、人権擁護委員さんから生徒会役員が一日人権擁護委員の委嘱を受けました。生徒会役員の皆さんには、6日に一日人権擁護委員として啓発活動を行ってもらう予定です。
さて、今日の午後は人権について考える集会があります。集会では「日本一幸せな従業員をつくる」という映画を観ます。『ホテル再生物語』という本の内容を映画にしたものです。ホテルを4年連続の赤字から10年連続の黒字へと導いた伝説の総支配人、柴田秋雄さんの物語です。
柴田さんの信念は「誰もが必ずいいものを持っている」ということです。本の中の一部を紹介します。
−引用開始−
従業員の中に、少し表情の暗い青年がいた。二十歳を少し過ぎたくらいである。その彼に声をかけ、話しているうちに学歴の話になった。すると突然「僕、黙っていましたが、実は高校を出ていないんです。ここに来るまでに一度就職したのですが、いろいろあって一年でやめました。」と話し始めたのである。私は面接の時、学歴や成績表などを見ない。そんなものは学校でのことであるからだ。大事なのは人間性である。高校を出ていないことなどは私にとって驚きではない。「そうか、勉強は好きじゃなかったんだな」と言うと「はいそうです」と答える。「じゃあ、体で勝負するんだな」、私がそう言った瞬間、彼の表情がぱーっと明るくなった。胸につかえていたものがふっきれたようだった。
昼の休みだった。社員食堂で従業員と話をしていると、学校にいけない子どもたちのことが話題になった。そのとき職場の仲間の前で、こんな告白をした女性がいる。「私も不登校だったの。だからその気持ちはよくわかる。不登校の子は本当は学校に行きたいと思っているものよ。先生もその子が登校できるようになるまで気長に待っていてほしいと思う」。そこにいた誰もがびっくりした。目の前の彼女はとても明るい。そんな体験があったなど少しも感じなかったからだ。彼女がこのとき、なぜ告白したかわからないが、きっと自分の心の奥に押し込んでいた気持ちを吐露したくなったのだろう。すべてを話した彼女の表情は凛としていた。もう隠していることは何もない。自分の気持ちが素っ裸になったのだ。そうなると笑顔ががらりと変わった。(私不登校だったの。でもいいところもあるのよ)。その日から作り笑顔でない、本物の笑顔に変わったのである。
(中略)
高校を中退した、就職試験に失敗した、家出をした、人と話すのが苦手だ…。世の中には、そういう人がたくさんいる。ところが、そういう人たちが、このホテルで働いているうちに明らかに変わっていく。みんな、まるで兄弟のようになっていくのである。それはなぜか…。こうした人たちが心の中でひそかに求めているものは「優しさ」である。毎日、周りの従業員たちと接していて感じるようになったのだろう。「僕のような者に、こんなに優しくしてくれるとは思ってもいなかった」という言葉を、私は何人もから聞いたことがある。
−引用終−
どうですか。「『優しい心』がすべての原点」と言う柴田さんのホテルでは、誰もが生きがいを感じて幸せになっていったのですね。
今日の午後は柴田さんが来てくれます。柴田さんの話を聞いて、人が幸せに生きる権利である「人権」について考えてみましょう。