表彰伝達に引き続き2学期の始業式が行われました。1学期よりもさらに自分を高める2学期にするためにあるパティシエの方の仕事への情熱・姿勢などについての紹介がありました。
2学期が始まりました。
部活動やボランティア、職場体験や応援練習、高等学校への体験入学など、皆さんが夏休みを有意義に過ごして、こうして2学期の始業式を迎えることができたことを大変うれしく思います。
2学期は、体育大会やコスモス祭、合唱コンクールなど、大きな行事が続く学期です。また、勉強にも運動にも取り組みやすく、いろいろなことに挑戦して、自分を高める学期でもあります。
1学期よりも進歩した2学期にするために、ある人のことを紹介します。
杉野英美さんというパティシェの人の話です
杉野英美さんは、15年前、日本人として初めて、菓子職人の世界大会で優勝をした人です。杉野さんのつくる洋菓子は、本場フランスでも「ほかのどこにもない菓子」と絶賛されています。
杉野さんによれば、おいしいお菓子を作るためには、地道な作業を、手を抜かずにやるのが必要だそうです。
たとえば、お菓子の飾り付けに使う木いちごは、一粒ずつ、状態を見て調べます。熟していないものや傷んでいるものは絶対に使いません。
材料を一つ一つ検査すること。
お菓子の焼き時間を秒単位で守ること。
お菓子に染み込ませるお酒の量をグラム単位で守ること。
隠し味に使うショウガを2ミリに切りそろえること。
どれもあたり前のことです。しかし、毎日数百ものお菓子を作り続ける中で、このあたり前のことを、ひとつも手を抜かずに完璧に貫けるかどうか、それが一番難しいのだそうです。
平凡なこと、当たり前のことは、やれて当たり前と思われがちですが、その平凡な当たり前のことを、毎日毎日当たり前にやり続けることは、実は根気のいる大変なことだと言います。
さらに、その上で杉野さんは「職人の仕事は、毎日毎日、同じ作業を繰り返しているように見えるが、実はそうではない。進歩がない職人はダメだ」と言っています。
今日50分かかった作業を明日は45分でやろうという進歩。
同じミスを繰り返さないように手順を変えてみる進歩。
そして、常に、その時点での最高の味を作り出すという味の進歩…。
杉野さんの店に並ぶお菓子は、同じ名前のものでも、10年前に比べると、そのほとんどがどこかチェンジして、味が進化していると言います。
いつものフルーツをいつもの作業で触りながら、これを違うお菓子に使えないか、考える。
いつものお菓子を作りながら、ほかの素材を加えられないか、考える。
「当たり前のことを当たり前にやるのが、一番難しい」、けれども、「当たり前を繰り返す」だけでは「特別」にはならない。
当たり前を徹底した上で、その中から工夫や改善方法を見つけてこそ、進歩があるのだそうです。
皆さんはどうですか。例えば、
・ 掃除をしていたら、別の汚れた場所にも気づかなくては進歩がない。
・ 今日15分で行ったことが、何とか1分でも縮められないかとチャレンジしなくては進歩がない。
というようなことですね。少しでも進歩させる気持ちがあってこそ、当たり前の積み重ねがいつか身を結ぶ、と思います。
1学期よりもさらに進歩するために、当たり前のことを、工夫しながら繰り返す2学期にしていきましょう。