本日 表彰伝達・デレック先生お別れの挨拶に引き続き 第1学期終業式が行われました。校長先生の話・校歌斉唱で1学期を締めくくることができました。その後 生徒指導の先生から夏休みに向けての話を聞きました。明日から夏休みがいよいよ始まります。自分自身を向上させるチャンスです。充実した44日の夏休みにしましょう。
(1学期終業式式辞)
本日、7月18日をもって、岩倉中学校の平成26年度・1学期を終業します。全校832名の皆さん、1学期を振り返って、どのような思いを抱いているでしょうか。
3年生は岩倉中学校のリーダ−として、2年生は、岩倉中学校の中堅学年として、1年生は、中学校という新しい生活の中で、それぞれが、より充実した学校生活を築き上げることができたのではないかと思います。
行事では、3年生は修学旅行、2年生は宿泊学習、1年生は岩倉探訪に、それぞれ精一杯取り組み、学年としての団結を深めました。また、どの生徒も、授業では熱心に学び、部活では元気にかけ声をかけ、廊下ではさわやかな挨拶を交わし合うことができました。モンゴルからの生徒を受け入れたときには、歓迎の合唱を始め、いろいろな場面で岩中生の思いやりの心を見ることができました。また、この一週間の自問清掃では、自分が見つけたやるべきことに黙々と取り組む皆さんの姿を見て大きな成長を感じました。
4月の始業式で、校長先生は、「ABCDの原則」を意識してほしいという話をしましたが、今や岩倉中学校は、誰にでもできる当たり前のことを、誰にもまねできないくらい自然にできる学校に成長しつつあると思っています。
これから長い夏休みに入りますが、自由な時間が増える夏休みこそ「ABCDの原則」が大事です。例えば、先生が見ているとちゃんとできるけれども、見ていなければダラダラするというように、場面によって行動を変えたら自分の価値を下げてしまいます。いつでも、どこでも、誰に対しても「ABCDの原則」が守れる、「常が大事」を意識しましょう。
さて、長い休みを利用して、皆さんに1つ考えてもらいたいことがあります。それは、「コスモス」、輝く自分を見つけましょう、ということです。
先日、2010年に女性宇宙飛行士として宇宙へ飛び立った 山崎 直子さんへのインタビューの記事を読みました。
山崎さんは、「銀河鉄道999」のアニメなどを見て、何気なく宇宙にあこがれていましたが、まさか自分が宇宙へ行くなんて思っていなかったそうです。山崎さんが、宇宙飛行士を具体的に意識したのは、中学3年生のとき、受験勉強をしながらテレビを見ていると、山崎さんの目に飛び込んできたのは、スペースシャトル・チャレンジャー号が、打ち上げからわずか73秒後に爆発した衝撃の映像でした。非常に大きな衝撃を受けると同時に、「アニメの世界だけではなく、本当に宇宙があり、宇宙飛行士がいるんだ」と、このとき初めて現実のこととして受け止めました。なかでも心を動かされたのはその宇宙飛行士の中に、高校教師でもあった女性がいたこと。彼女は、宇宙から数百人の生徒に対して授業を行う予定でした。結果的にそれはかなわぬ夢となってしまいましたが「学校の先生も宇宙へ行こうとしていた」という事実は、全く違う分野だと思っていた教師と宇宙を山崎さんの中で結びつけました。そして、なりたい職業の1つが教師だった山崎さんは、「宇宙へ行くにもいろんな目的があるんだ、私が彼女の夢をつないでいけないだろうか」と、そんな思いが芽生えたのだそうです。
その後、山崎さんは、「宇宙航空研究開発機構」が行う「宇宙飛行士候補者試験」に何度もチャレンジして、正式に宇宙飛行士候補生となります。しかし、その後いろいろなことがあって、実際に宇宙へ飛び出すまでに、11年も待たされました。宇宙に行けるという確実な保証もないまま、11年もの歳月を、「私は私の道を行こう」と思い続けることができたのは、大きく2つの力が作用したのだそうです。
1つは、すごく単純なこと。今やっていることが好きかどうか。大人も子供も関係なく、本当に好きであればがんばれる。山崎さんは宇宙の勉強ができること自体が楽しくてわくわくしていたのだそうです。
そしてもう1つは、人間だけが持つ想像力だそうです。最近の研究で、チンパンジーは人よりも優れた記憶力を持っていることがわかっていますが、将来を考える力は持ち合わせていないと言われています。人には、成し遂げた時の喜びを想像できる力があります。山崎さんは、事故が続いてスペースシャトルで飛べる確率が低かった時でも「宇宙ステーションが組み上がれば、何とか別の手段でそこに行く可能性が無くはない。こんな道も、あんな道もできてくるかもしれない」と想像力を存分に使ったのだそうです。
好きなことを見つけることと、将来を想像してみること、この2つをするのに、夏休みは最適な時期だと思いませんか?
部活動に打ち込むこと、職場体験をすること、体験入学をすること、本を読むこと、ボランティアでさまざまな人と出会うことなど、長い夏休みだからこそできることを通して、じっくりと「コスモス」、将来の輝く自分を思い描いてみましょう。
以上で、式辞といたします。
平成26年7月18日
校長 野木森 広