生徒会任命式と表彰伝達に引き続き、1・2年生の修了式を行いました。
中国の古典医学書や、朝という漢字を通して「春は何かを始めるチャンス、新学期に向けてがんばっていこう」というお話が校長先生からありました。
式辞
ただ今、2年生289名、1年生286名の代表の人に修了証を渡しました。これは、皆さんが1年間しっかり勉強し、2年生、1年生の全課程を修了したことを証明するものです。
1年間を振り返ると反省もいろいろあるでしょうし、逆に、努力したこともあると思います。通知表にもそれがあらわれていると思います。これを機に、自分を振り返って、新たな目標を立ててみてください。
さて、明日から春休みです。
中国の古典医学書に「素門」という本があります。この本には、人間は四季折々どんな生活を送れば健康に良いかということが書いてあります。
そこでは「春」を「発陳(はっちん)」と呼んでいます。
「発陳」とは「発生」のことです。春はすべての物が芽生え、天地の万物は生き生きと栄えます。自然界では、春になると成長や上昇、明るく外へと向かう陽気(成長の気)が生じます。
その陽気の力で冬の間に地の底で眠っていた万物が発生していくことを発陳と呼んでいます。
人間を自然の一部と考える中国医学では、人の心も同じと考えます
ですから、冬の間表に出るに出られなかった思い、考え、想像を春の陽気とともにどんどん行動して、発散させることが大切だというわけです。
春になると、何かを始めたくなったり、新しいことに挑戦したくなったりすることがありませんか。その思いは春を元気に過ごすためには自然なことなのです。
その思いを抑えたり、摘み取ったりすると、心身が不健康になっていきます。
ですから自分自身が何か始めたいと思ったら、ぜひ春の陽気(成長の気)の力をかりてチャレンジしてみましょう。
成功や失敗に関わらず、それは心身の健康のために良いことです。
また、春を健康に送る方法として、「朝は早目に起きて、春の朝日を身体いっぱいに浴びて散歩するのが良い」と書かれています。
できれば、日の出とともに起きて、朝日をたっぷりと浴び、生活のリズムを整えたいです。
ところで、「朝」という漢字は「とつき、とおか」と書きます。「とつき、とおか」とは、人間の赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時間です。つまり「とつき、とおか」たつと生まれます。
朝という漢字を「とつき、とおか」と書くのは、「人間は毎朝生まれ変わる」という考え方があるからではないかと思います。
確かに、部活でくたくたに疲れても、夜ぐっすり眠れれば、翌朝元気になります。友達とケンカして塞ぎこんでいても一晩ぐっすり眠るとこだわりがなくなります。
夜、早めに寝て、良い睡眠をとると、毎朝生まれ変わるのです。
このことは、人間の身体を守るリンパ球の数が、12時より前に寝ると30パーセント以上になり、12時より遅いと30パーセントに満たないというように、科学的にも裏付けられています。
早寝、早起きで、生活のリズムを整えましょう。
春は「生まれ変わる」季節です。「素門」にも「物事を始めるのに」よい季節であると書かれています。
この春休みをぜひ「しっかりとした生活習慣を身につけ、これから始まる新年度の目標を立てる」期間としてほしいと思います。
始業式、また、ワンランクアップした皆さんとの出会いを楽しみにして、式辞といたします。
平成26年3月24日
岩倉中学校長 野木森 広