始業式の前にPTAからの贈呈式がありました。校長先生の式辞の中でソチオリンピック日本代表のジャンプの高梨選手、フィギアの羽生選手についてのお話がありました。
2014年を迎えました。新しい年になると、何か気分も新しくなります。皆さんの中には、今年こそはと新たに目標を立てた人が多いのではないでしょうか。
さて、2014年に予定されていることはいろいろありまが、その中で楽しみなことの1つとして、2月に行われるソチオリンピックがあります。
中でも、女子スキージャンプの、高梨沙羅選手17歳と、男子フィギュアスケートの、羽生結弦選手19歳は、金メダルが期待できる若手選手です。17歳、19歳と言えば、今の3年生と比べて、あと2年後か4年後です。そんな若い選手が金メダルを狙えること自体がわくわくすることですね。
さて、2人が出場するジャンプとフィギュアはともに個人種目です。それなのに、2人とも、相手や仲間の力、周囲の支えを常に意識しています。
まず、2人には、それぞれ目標とするライバルがいます。高梨選手には、アメリカのサラ・ヘンドリクソン選手19歳、羽生選手には、カナダのパトリック・チャン選手23歳、ともに2〜3歳年上で、技術的にも数段上の相手です。2人とも、「彼がいたからここまで来られた」「彼女と同じ舞台に立ちたい」と、相手をかけがえのない存在として尊敬しています。
また、2人とも表彰台に立つたびに、周囲への感謝の言葉を口にします。東北出身である羽生選手は、2011年の東日本大震災のあと、それまで練習してきた仙台の練習場が使えなくなって、拠点を県外に移しました。その後、大震災の復興支援で演じたアイスダンスで「多くの人々の支えに気付くことができた」と言っています。そして、ソチではこのとき使ったのと同じ曲で感謝の気持ちを表現することに決めているそうです。
高梨選手の場合は、「ジャンプに女子の部がなかった時代から、先輩たちがやってきてくれたから、最高の結果が出せた」と先輩への感謝の言葉を口にします。
さらに、彼女の勇気の源は、8歳の時にテレビのドキュメント番組で見た長野オリンピックでの出来事だそうです。長野オリンピックの時、一回目のジャンプが終わって、日本は4位でした。ちょうどそのとき、猛烈な吹雪が吹いて、競技を打ち切りそうになります。このまま終われば日本は4位のままです。しかし、このとき、安全を確かめるための無名のテストジャンパーたちが、果敢に試しのジャンプを成功させで、競技続行が決まりました。この後、2本目のジャンプで、日本は見事逆転優勝を果たしたのです。テストジャンパーたちが一人でも転倒していたら、日本の金メダルはなかったのです。つまり、一人一人に、日本がメダルを取るんだという強い思いがあったからこそ、優勝できたと言えるのです。
さて、このことを皆さんに当てはめてみましょう。皆さんが定期的に行うテストや、3年生が目の前に控えている受験は、いわば、個人種目です。しかし、みんなが一人一人の夢を実現させるんだという強い思いを抱いていることが、個々の夢の実現につながります。そして、今の岩中には、その空気があります。
「コスモス、あいさつ、ボランティア」。一人一人が輝く自分「コスモス」を目指して、それを実現できる3学期にしましょう。