尾教研書写コンクールの表彰伝達に引き続き、校長先生より101匹目のサル「意味のある偶然の一致」についてのお話がありました。
(10月28日 校長講話)
今日は「101匹目の猿」という話をします。
むかしむかし、日本からは遠く離れた南の島に、たくさんの猿が住んでいました。島は豊かな自然に恵まれていましたので、猿たちは島に実るたくさんの木の実を食べて生活していました。
ある日、一匹の幼い子どもの猿が、木の枝になっているリンゴを見つけました。食べようと思って手を伸ばしましたが、リンゴは滑って下に落ち、砂浜を転がって、海の中に落ちてしまいました。子どもの猿はしかたなく砂浜に降り、海の中に転がったリンゴを拾って食べました。
すると、そのリンゴは、いつも食べているリンゴとは少し違っていました。土やほこりが洗われて食べやすいですし、海の水で少し塩味が付き、おいしいことにも気づきました。その日からその子供の猿は、リンゴを食べるときにはいつも海水で洗って食べるようになりました。
始めのうち、リンゴを洗って食べる猿は、この猿一匹だけでした。しかし、ある日、その猿の行動を見ていた友達の猿が真似をするようになりました。やがて、3匹目の猿が真似をし、4匹目の猿が真似をしました。こうして、塩水でリンゴを洗って食べる猿は、子供の猿から大人の猿へと徐々に広がっていきました。99匹目の猿が真似をし、100匹目の猿が真似をし、やがて101匹目の猿が真似をしたときです。ある不思議なことが起こりました。
それは、その島とは遠く離れた別の島でも、塩水でリンゴを洗って食べる猿が現われたのです。島同士は遠く離れているので猿たちはお互いの行動を見ることはできません。もちろん、泳いで渡ることもできません。それなのに全く別の島でも同じような行動が起こったのです。
このような現象は、シンクロニシティーと呼ばれ、日本語では「意味のある偶然の一致」と訳されています。もちろん、先ほどの猿の話はたとえ話ではありますが、これと似た現象はいろいろなところで観察されている事実なのです。
つまり、よいことや便利なことは、ある人が実行し続けていると、少しずつ伝わり、やがてあるとき大きく広がりを見せるということなのです。
自分が正しい、当たり前だと思うことを、たとえみんながやっていなくても、バカにしないでやり続けていると、いずれ周りにも広がるということです。自分が正しい、当たり前だと思うことを、バカにしないでやり続けるお手本を見せる人こそ、本当のリーダーかもしれませんね。
そう考えると、岩中にはたくさんのリーダーがいそうです。掃除のリーダー、読書のリーダー、時間を守るリーダー、身だしなみのリーダー、あなたはどんなリーダーになれそうですか。