昨日、第74回卒業式を無事終えることができました。ご臨席いただきました保護者の皆様、最後の歓送までありがとうございました。
多くの生徒はこれから受検があります。体調管理に努め、臨んでほしいと思います。
桃の花香る節句のよき日に、本校第七十四回卒業式がこのように挙行できますことに安堵と共に、大きな喜びであります。ご臨席いただきました保護者の皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
また、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。手塩にかけたお子様が心身共に立派に成長し、ここに大きな節目を迎えられましたことに、お喜びもひとしおのことと存じます。これまでのご苦労に深く敬意を表しますと共に心よりお祝い申し上げます。
さて、二百五十二名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんとの出会いは、三年前の入学式でした。その時、自作の詩を紹介しました。その詩は「友達がいなくて ふと声をかけてみた」で始まり、「会話の中に 時に沈黙がある それは 言葉を忘れたのではない 信頼を感じるとき」で終わります。そんな親友と呼べる友達はできましたか。これからも友達を大切にしてほしいと思います。
私は皆さんの入学と同じくして、校長として着任をし、皆さんと共に三年間を過ごし、たくさんの思い出ができました。しかし、楽しかった思い出ばかりではありません。一年前の急な臨時休校、三か月に及びました。六月に学校を再開してからは、学校生活が一変し、様々な制限、窮屈な思いをさせたことと思います。そんな中で私自身、常に考えていたことは、コロナ禍だからこそ、学校でしかできないことを中止ではなく、やれる方法はないのか。何とか工夫してやろう。ということでした。しかし、変更、延期、中には中止せざるを得なかった行事もありました。本当に申し訳ない思いで一杯です。
また、制限を押しつけるのではなく、生徒の皆さん自身に、健康安全のための正しい判断力を身につけてほしいと考えていました。皆さんが歩んでいくこれからの社会は急速に変化をし、予測困難な時代であると言われています。しかし、この一年ほど、予測ができなかった年はありません。その中で培った判断力です。自分を信じ、突き進んでほしいと思います。
思い出の一つ、全学級で行った道徳の授業。皆さんを身近に感じることのできた幸せな時間でした。感想を寄せてくれたこの冊子、ありがとうございました。最高の思い出の品となりました。昨日、皆さんが下校した後、校長室で、改めて、全員のメッセージを読み返しました。そして、その後、皆さんを迎える準備が整った教室を回り、最後に、階段踊り場で、皆さんの三年間の歩みをたどりながら、ひととき思い出に浸っていました。何よりも、私の心を和ませてくれたのは、そこにある思い出の写真の皆さんの笑顔です。コロナ禍の中でも皆さんのいっぱいの笑顔に出会えるその場所が私は大好きでした。そこにある、毎日思いをつないできた学年主任の黒板、最後のメッセージは「『ここから』、自慢の卒業生、大好きです。完結」。その思いを胸に、ここから旅立ち、ここから新しいスタートを切ってほしいと思います。
結びにあたり、学年訓「結」、本当であれば、式後に披露するはずであった合唱曲「結」。その歌詞には「信じること あなたの中に眠ってる力に気づいて あきらめないで 無駄なことなんて なにひとつないって 思い出して」とあります。
コスモスの生徒たちであった卒業生の皆さん、皆さんのこれからの人生、夢が大きく花開くことを祈念し、式辞といたします。
令和三年三月三日
岩倉市立岩倉中学校長 高御堂 勝久