体育館で行われた朝礼は今日で2日目でした。全校生徒が、月曜日の朝から集まって集会を行うことで、気持ちよく1週間をスタートすることができます。女子バレーボール部の表彰伝達がありました。続いて、校長先生の話では、「常に大事」というテーマで東日本大震災の釜石市の防災についてのお話でした。震災時、釜石東中の生徒たちが小学生や地域の人に行えた活動は、多くの人を救うものになったが、それは、避難訓練つまり備えによって生まれたこと。このことは、3年生の受験や面接のときに、普段行われている生活やあいさつ礼儀などと同じことで、受験の備えに当てはまるのだとお話ししてくださりました。3年生の受験も間近に迫っています。日頃の生活を発揮できるように今週もがんばっていきましょう。
(1月19日 校長講話)
今日は「常が大事」ということについて、改めて考えてみたいと思います。
あと40日ほどで、東日本大震災から丸7年を迎えます。東日本大震災の津波で、岩手県釜石市では1000人を超える人が犠牲になりました。しかし、小中学生は、約2900人のうち5人の犠牲者でとどまりました。これは、釜石東中学校の生徒が、地震が起きてすぐに自主的に非難を始め、それを見た小学生も一緒に避難をしたからです。このことを多くのメディアは「釜石の奇跡」として賞賛しました。
しかし、これは本当に「奇跡」だったのでしょうか。
釜石東中学校では、震災前から、自分たちの学校が30年か40年に1回は津波が来る土地だということを学んでいました。そして、小学校と合同で避難訓練をしていました。具合が悪い小中学生がいるという想定の下、自分たちが逃げながら小学生を助けるという訓練もしていました。さらには、オレンジ色の用紙に「非難しました」と書いてラミネートをした「安否札」というものを手作りし、学区内の3000戸の家庭に3年をかけて手分けして配っていました。これは、津波警報が出たとき、住民が避難しているかどうかを分かるようにして、住民に避難を呼びかける消防団員に役立ててもらうためのものです。
実際に、震災のときには、生徒たちは避難訓練でやったように、「おにいちゃんおねえちゃんと逃げよう」と小学生の手を引いて、高台に避難しました。また、安否札も利用されて地域住民の命を守りました。
日頃から訓練をしていた釜石東中学校の生徒にとって、避難できたことは奇跡ではなく、成果だったと言えるのではないでしょうか。日頃から備えをしていたからこそできたことだと思います。
何事も、「常が大事」です。
さて、3年生は間もなく私学入試が始まります。日頃から、あいさつや学びのABCなど、当たり前のことを積み重ねてきた3年生だからこそ、面接にも学力検査にも平常心で臨めるでしょう。1・2年生の人も、間もなく学年末テストがあります。「常を大事」にして、いざというときに力が発揮できるように日頃から備えましょう。