雨の中の入学式。たくさんの先輩や保護者の方に見守られ、堂々と歩く新入生の姿がありました。三年間の中学校生活は長いようでとても短いものでしょう。小学校の時とは違う勉強や部活動に忙しいときもあるでしょう。先輩の背中を見て、がんばっていきましょう。月曜日からは、本格的に中学校生活がスタートします。新入生の輝く姿を岩倉中学校職員全員楽しみにしています。
また、2年生、3年生の皆さん、進級おめでとうございます。先輩としての姿は立派でした。これからも上の上を目指しましょう。
(始業式式辞)
いよいよ今日から、平成29年度が始まります。このあと、新しい1年生を迎えて、気分も新たに新学期をスタートします。2年生282名、3年生260名の皆さん、進級おめでとうございます。上級生となった皆さんは、1年生を上手にリードしてください。
さて、上級生として心にとめてほしい言葉は、まず、本校のスローガンである「コスモス・あいさつ・ボランティア」です。
新年度にあたって、もう一度この意味を確かめておきましょう。
「コスモス」は岩倉中学校のシンボルフラワーです。自然界にあるさまざまな花の代表として「オンリーワンの存在」を象徴しています。また、コスモスはギリシア語で「宇宙」です。岩中生一人一人が輝く星です。夢をもってその実現を目指すことで、オンリーワンの輝く存在になろうという意味です。
「あいさつ」という言葉は、規範意識の象徴です。規律を守って自立した社会人になろうという意味です。
「ボランティア」は、思いやりの象徴です。周囲に貢献することで、豊かな社会性を身につけようという意味です。
したがって、「コスモス・あいさつ・ボランティア」とは、「規律と思いやりの中で、夢の実現に向けて努力しよう」という意味です。
そして、いくつかのキーワードも、確認しておきましょう。
1つ目は、「そろえる」です。皆さんはこれまで、靴や机、あいさつ、時間などをそろえてきました。これからも、小さなことをそろえることで、一人一人の気持ちをそろえていきましょう。
2つ目は、「常が大事」です。テストの前だけ頑張るのではなく、常日頃から勉強を積み重ねよう、試合の時だけ真剣にやるのではなく、日常から全力で練習しよう。当たり前のことを地道にやり続ける岩中生であろう、という意味です。
3つ目は、「誰かのために」です。「大人になる」ということは、自分のことだけでなく、周囲のことを考えることができるようになるということです。人のためにも行動できるようになろうという意味です。
そして、最も大切なキーワードである「ABCDの原則」に、今年は「+α」をつけました。つまり、「ABCDの原則+α」です。「ABCDの原則+α」とは、「A:あたりまえのことを、B:ばかにしないで、C:ちゃんとやれる人こそ、D:できる人」に加えて、あたりまえの行動が自分から気づいてできるようになろうという意味です。
このことをイメージしやすくするために、1つの詩を紹介します。河野進という人が書いた『上中下』という詩です。
『上中下』
言われてもしないのは 下の下
言われてするのは 下
黙っていてもするのは 中
気がつかなくてもするのは 上
そっとして気づかせないのは 上の上
眠っている赤ちゃんの
おむつをかえる
お母さんのように
どうですか。みなさんは、上・中・下のどこに当てはまりますか。
お母さんが赤ちゃんのおむつを替えるのは当たり前のことですが、お母さんが赤ちゃんにするように、誰かのために尽くして見返りを求めないことはなかなかできることではありません。周囲が誰も気がつかなくても、自分から気づいて行動できるのが「+α」です。「ABCDの原則+α」。当たり前のレベルをあげて「上の上」の岩中生をめざしましょう。
以上で、式辞といたします。
平成29年4月7日
校長 野木森 広