今日は朝礼がありました。表彰伝達では、柔道男女、卓球女子の表彰がありました。校長先生の話では、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典教授の話を紹介し、いろいろな世界から未知の世界に踏み出していこうと未来を生きる生徒たちにお話をしてくださりました。
(10月31日 校長講話)
ここに『空気の発見』という本があります。
今年のノーベル医学生理学賞に輝いた大隈良典さんが科学に興味を持つきっかけとなった本の1つです。
大隅さんは、細胞が自分で自分のタンパク質を分解してリサイクルするしくみを発見しました。ノーベル賞を受賞した理由は、それががんやアルツハイマーの治療に役立つからということです。しかし、このしくみを発見したとき、それを病気治療に役立てるなどということは全く考えていませんでした。むしろ「『役にたつ』という言葉が社会をダメにしている」とまで言っています。つまり、すぐには役立たないような基礎研究が大切だと言うのです。
空気に重さがあることを発見したガリレオ・ガリレイは、それがやがてさまざまな気体の発見につながり、今では冷蔵庫や燃料電池の発明に役立っているということなど想像もできないことでしょう。
皆さんは、今の勉強は何の役にたつのだろうか、と疑問に思ったことはありませんか。大隅さんは、そのような高校生に対してこう語っています。「高校で習う三角関数は研究者になって使うことはないが、論理的な思考には必要だ」。「何が役にたつか」と思わず、人間が築いてきた英知を学ぶ、それが大事なことだというのです。
大隅さんは、この『空気の発見』や『ロウソクの科学』などという科学書を読んで、未知の世界を知ることの楽しさを知りました。皆さんもさまざまな勉強をして、あるいは本に触れて、未知の世界に踏み込んでみましょう。