澄み渡る青空の下、卒業式を行いました。
コロナウイルス感染症対策のため、制限を設け、例年とは違う形で進めさせていただきました。
そのような中でも、卒業生たちは凜々しく元気よく旅立っていきました。
曽野小レインボーを胸に、たくましく過ごしてください。
ご卒業おめでとうございます。
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式辞
新型コロナウィル感染症との闘いがまだまだ終わりを見せていないこの3月ですが、自然界の歩みは止まることなく、本格的な春の訪れを迎えています。五条川の桜のつぼみもふくらみ、みなさんの新しい門出を祝うかのように咲き誇る時を待っています。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。みなさんの小学校生活が今日終わりを迎えています。大きなランドセルを背に手を引かれて学校に来た日から6年間、勉強に運動に仲間たちとの交流に時を過ごし、立派に成長しました。この成長はみなさんの日々の努力の賜物です。自信をもってください。その一方で家族の方々、地域の方々、先生方の温かい支えなくしては、今の立派なみなさんの成長はありません。感謝の気持ちも忘れないでください。
みなさんが6年生の年、令和2年度は大変な年でした。新型コロナウィルスとの闘いが続き、曽野小学校40年の歴史の中でもかつてない年となりました。そんな中でも、みなさんは明るさを忘れずに学校の大きな柱としてがんばってくれました。運動会の名演技、忘れられません。みなさんの堂々とした姿は今でも瞼の裏に残っています。実施できるか最後まで心配した修学旅行、みなさんの心から楽しそうな表情も印象的でした。マスク越しでしたがアイコンタクトでの毎朝の校門での挨拶も心が通じていると実感しました。
苦しい我慢の連続でしたが、コロナ禍にも負けない君たちの強くたくましい姿勢は、私たち大人を本当に勇気づけました。ありがとう。心から感謝を送ります。子どもたちにたくさんの我慢を強いてきたこの新型コロナウィルスとの闘いを、終わらせるのは、大人の責任であると感じています。しかし、今しばらく、みなさんの力も貸してください。お願いします。手洗いとマスク、換気とソーシャルディスタンスと自粛、これらを刀として新型コロナウィルスという鬼を退治しましょう。そして皆さんとともに、マスクなしで思いっきり笑い合える、アフターコロナの明るい未来を創りましょう。
さて人として誕生して12年のみなさんですが、人としての誇り、他の生き物とは違う誇りは何でしょうか。私は、他者に共感する力つまり「思いやり」だと考えています。人は他者の苦しみや悲しみを自分のものにすることができます。それは目の前の家族や友人だけではありません。時間と空間を超えます。過去の先祖の苦労に思いをはせたり、今この瞬間に起こっている世界のどこかの見ず知らずの人が直面している問題に、共感を寄せたりすることもできます。そんなことができるのは人間だけです。どうか他者の苦しみや悲しみを自分のものとして考える共感力、「人としての優しさ」をもって人生を歩んでいってください。
また私たちの先祖は、数々の戦争、地震や台風、津波などの自然災害、感染症の流行などを乗り越えて、私たち一人一人に命を伝えてくれています。つまり私たちの命には様々な困難を乗り越える勇気とたくましさが、あらかじめ組み込まれているのです。ですからみなさんには、これから起こるあらゆる困難を、乗り越える勇気とたくましさが、自分の中にすでに備わっているのです。それに気づき、それを自分の中に見つけ育てて、未知なる人生に前向きに力強く立ち向かってください。
しかし、人間は、私たちの祖先は、かつて過ちを犯したこともありました。勇気やたくましさを憎しみと暴力に変えて、お互いに傷つけあったのです。どうかみなさんは、一人一人がもっている勇気やたくましさを、憎しみや暴力に変えることなく、優しさと思いやりに変えて、新しい未来社会をつくってください。そして、そのみなさんが創る未来社会においては、平和で、差別や貧困がなく、豊かな自然の中、それぞれがそれぞれの色で輝き、美しいハーモニーを奏でる「曽野小レインボー」の理想が実現されている社会であることを望んでいます。
いよいよお別れの時です。夢に向かって確かに歩み、未来に大きく羽ばたいてください。みなさん一人一人の人生を、それに関わった者として これからも応援しています。
未知なる未来へ行ってらっしゃい!
以上、式辞とします。
令和3年3月19日
岩倉市立曽野小学校長 木本 純