南中校長室の窓「第35回卒業式」
- 公開日
- 2012/03/08
- 更新日
- 2012/03/08
南中校長室の窓
本日(3月8日)、第35回卒業式を行いました。厳粛な中にも温かい式になりました。来賓の皆様、保護者の皆様、関係各位の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日の式辞を紹介します。
(写真は、上から「入場」「『旅立ちの日に』合唱」「学年合唱メドレー」です)
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式辞
今年の冬は寒さが長く続いていましたが、徐々に春の息吹が感じられるようになりました。本校第35回の卒業生として、巣立ちを迎えられた177名の皆さん、卒業おめでとう。
また、本日ここに卒業式を挙行いたしましたところ、岩倉市長 片岡恵一様をはじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、高い席からではございますが、心より厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございました。
加えて、保護者の皆様、お子様のご卒業誠におめでとうございます。こうして卒業の日を迎えられ、感慨もひとしおかと、ご推察申し上げます。またこの間(かん)、本校の教育に関し、多大なるご支援、ご協力を賜りましたことにつきましても、改めて厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございました。
さて、卒業生の皆さん、皆さんの中学校生活は、このミラーボールから始まりました。覚えていますか?入学式での式辞で「南部中生活3年間で、このミラーボールのようにキラキラと光り輝く面を一つでも多くつくってください」という話をしました。キラキラ光る面が一つでも二つでもできたでしょうか。
皆さんは、この南部中学校の行事一つ一つに取り組むたびに、確実に一回りずつ大きくなってきました。特に印象深かったのは、1年生の合唱コンクールです。2学期も半ばを過ぎたというのに、まだまだ小学生気分が抜けきれず、自主自立に関しては、当時の2・3年生とはかなり水が開いていました。それが、合唱コンクールへの取組を通して飛躍的に成長したと思います。「やっと南中生になってきたか」と思いました。その後は、日を追うごと、行事など活動を重ねるごとに成長し、最後の合唱コンクールの学年合唱では「よくぞここまで歌い上げてくれました。3年間でよくぞここまで成熟してくれました」感無量の思いがしました。私の赴任とともに3年間同じ時を過ごし、震災により余儀なく変更された本校初の関西方面への修学旅行を含め、私にとって忘れられない記憶に残る卒業生となりました。
約1年前に起きた大震災の後、テレビで『「心」は見えないけれど「心遣い」は見える。「思い」は見えないけれど「思いやり」は見える』という言葉とともに温かいシーンが流れました。覚えていますか?
実はこの言葉は、宮澤章二という人の「行為の意味」という詩をもとにしたものです。ここで、全文を紹介します。
あなたの〈こころ〉はどんな形ですか と ひとに聞かれても答えようがない
自分にも他人にも〈こころ〉は見えない けれど ほんとうに見えないのであろうか
確かに〈こころ〉はだれにも見えない けれど〈こころづかい〉は見えるのだ
それは 人に対する積極的な行為だから
同じように胸の中の〈思い〉は見えない けれど〈思いやり〉はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為なのだから
あたたかい心が あたたかい行為になり やさしい思いが やさしい行為になるとき
〈心〉も〈思い〉も初めて美しく生きる
それは 人が人として生きることだ
皆さんは、今日この南部中学校を卒業し、上級学校や社会に飛び立ち、新しい人々と出会います。これまで以上に、難しい関わりが数多くあるでしょう。そんなときは、自分の気持ちや思いを言葉や形で表してください。思っているだけでは伝わらないことが多くあります。あたたかい心ややさしい気持ちをぜひ行いにしてください。そこには、あたたかくやさしい空気があふれるはずです。
皆さんはこの3年間ですばらしく成長しました。南部中で身に付けたものに自信をもち、前を向いてたくましく突き進んでください。皆さんが、さらに成長し、大きく「飛翔」することを心から願っています。
最後になりましたが、今日家へ帰ったら、ぜひ家族の方に感謝の気持ちを伝えてください。小さい頃から、多くの人に支えられてここまできましたが、何といっても、ひたすら皆さんの成長を願い、今日の日を心待ちにしてこられたのは、家族の方です。心をこめて「これまでありがとう。おかげで中学校を卒業することができました」と言ってほしいと思います。
皆さんの前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。
皆さん、さようなら。
平成24年3月8日
岩倉市立南部中学校長 藤 田 雅 則
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