昨日の卒業式、卒業生総代の「旅立ちの言葉」を以下に掲載します。
思いのこもった言葉をぜひご一読ください。
答 辞
「羽根は大きく 結び目は固く」
私たちは三年間で、強くて固い、ほどけることのない大きな「蝶々結び」を作り上げることができました。
先ほどは校長先生をはじめ、市長様、在校生からの温かいお言葉を頂きましたこと、心より感謝いたします。
二年前の四月七日、真新しい制服に身を包み、大きな期待と不安を胸に新しい仲間たちと出会いました。うまくやっていけるか不安に思う中、先輩方の温かな合唱に感動し、自分たちもいつかあんな風に歌いたいと強く思いました。
待ちに待った部活動。最初は緊張と不安な気持ちでしたが、仲間たちとともに励まし合いながら、厳しく苦しい練習にも一緒に取り組み、乗り越えました。
二年生になり、まだまだ成長過程である私たちでしたが、先輩と呼ばれるようになりました。私たちは、今まで以上に学校生活に力を入れて過ごすようになりました。
その中でも一番心に残っているのは自然教室です。若狭の自然の中で様々な体験をしました。カッター漕艇の活動では、クラスの仲間と共に息を合わせゴールを目指しました。夜に行われたキャンプファイヤーでは、私たちの学年スローガンである「蝶々結び」から「結」の文字が灯され、私たちの絆も結ぶことができたように感じました。天候に左右されることもありましたが、みんなでおそろいの「結」Tシャツを着たことも良い思い出です。
そして中学校生活最後の春。私たちは南部中学校の最上級生として自覚と責任をもたなければならない学年となりました。
六月、大都市東京へ修学旅行へ出かけました。
一日目の夜に行われた学年レクリエーションでは、各クラスが準備してきた出し物を披露し、仲間たちとおなかが痛くなるほど大笑いしました。最後には「蝶々結び」を歌いました。歌い終えたときには、学年全員と先生方で肩を組み、一つの輪になっていました。笑顔が輝いた一生の思い出です。
三日間を通して、たくさんのことを知り、学び、出会い、交流し、仲間のよいところをたくさん見つけることができました。
そして二年半、力の限り打ち込んできた部活動。辛いとき、苦しいとき、共に悩み共に涙を流してきた大切な仲間と、時に厳しく時に優しく指導してくださった顧問の先生を信じて、今まで積み上げてきたものを全力で出しきった最後の大会は、忘れられません。
最後の体育大会では、夏休み中から準備をはじめ、応援、学級幕、門柱を後輩たちと一緒に作り上げました。相手に伝えることの難しさを痛感しながらも、最高の作品を作り上げようとたくさん考え、意見を出し合いました。うまくいかないこともありましたが、同じ目標に向かって、クラスやブロックで団結して納得のいくものを完成させることができ、大きな喜びと達成感を味わうことができました。
最後の合唱コンクールでは、三年間の集大成としてアカペラで「アイコトバ」を合唱しました。体育館いっぱいに歌声を響かせることができました。忘れられないのは、歌い終わったとき、先生方が涙をぬぐう姿を目にしたことです。自分たちの歌声で感動して下さったことを知り、大きな喜びを感じました。
私はこの三年間、いろいろなことに挑戦し、とても充実した日々を送ることができました。一年生の頃は辛いこと、苦しいことから逃げて、周りの人と比較して自分自身を責めることの繰り返しでした。そんな弱い自分を変えたのは、駅伝練習でした。自分自身の記録を越えたその瞬間に、心の迷いが吹っ切れて、自信がもてた気がしました。それは、自分一人でできたわけではありません。ともに切磋琢磨し、支え合ってきた仲間がいたからです。
在校生のみなさん、私たちを信じ、最後までついてきてくれて本当にありがとうございました。私たちは、先輩方から受け継いだ南部中学校の伝統を守り、さらに発展させようと日々努力してきました。私たちは、特別な何かをしてきたわけではありません。仲間を大切にし、当たり前の日常を精一杯過ごしてきたことが、成長につながったのだと思います。一日一日を真摯に過ごし、南部中学校を支え新しい歴史を築いていってください。
私たちの活躍を温かく応援してくださった地域のみなさん、私たちはみなさんの笑顔にいつも元気をもらっていました。これからも、南部中学校の応援をよろしくお願いします。
お父さん、お母さん、いつも私たちを温かく見守って下さり、ありがとうございます。今日で一つの節目を迎えます。しかし、私たちが一人で歩いていくにはまだまだ時間がかかります。いつか恩返しができるよう頑張るからこれからもよろしくお願いします。
私たちはいつも落着きがなく、自分勝手で調子に乗って失敗して、たくさん叱られました。私たちを信じ、いろんなことに挑戦させてくれたこと、私たちの可能性を見つけ、素晴らしい道を切り開いてくださったこと、愛情いっぱいに育ててくださったこと、大切な時間を先生方と過ごすことができ、とても幸せでした。先生方から教わったこと、南部中学校で学んだことを忘れず次のステージでも頑張っていきます。
いよいよ巣立ちの時です。本日は私たちのためにこのような盛大な式を開いていただきありがとうございました。
最後に、ありきたりな言葉ですが、私は、こんなにも素敵な仲間たちと出会えたこと、南部中学校で三年間過ごせたことを、本当に幸せに思います。
素晴らしい出会いをくれた母校、南部中学校のますますの発展と、ご来賓の皆様、諸先生方のご健康とご多幸を、そして在校生の皆さんの、より一層のご活躍をお祈りし、答辞とさせていただきます。
令和二年 三月三日
第四十三回卒業生総代
土 方 梨 緒